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私の一言   MY SHORT TALK
 
 物部康雄   YASUO MONOBE  
  東京オリンピック招致


48.東京オリンピック招致

2013/09/18



47.私の視点

2013/09/02




46.世界遺産登録

2013/07/24




45.犯罪被害者給付金

2013/07/17




44.ハンバーガー1個
   で東名高速が
   通行止め?

2013/07/08




43.A chain is as
   strong as its
   weakest point

2013/06/24




42.手抜き工事

2013/05/15




41.父の思い出

2013/03/29




40.経済は一流、
   政治は二流

2013/03/14




39.官僚の裁判官では
   裁判は無理

2013/02/25




38.結局は趣味の違い?

2013/01/31










開催に水を差すつもりではないし、そもそも、こうまで盛り上がったのでは水もさせそうにないが、今回の招致には、一市民としては、大いに疑問がある。原発事故と東北の津波被害が起きる前のことなら、話しは分かるが(好き嫌いの問題は別にして)、今は、事故の制御・収束と津波で壊された街・村の復興が第一のはずであり、「とても、オリンピックまで手が回りません。メドが立ったら改めて立候補します。」と言って途中で降りるのが普通の感覚であったはずである。既に、建築・土木関係の人件費は倍増以上となっており、それでも人手が足りない状況なのに、何を好んでこの時期にそれをさらに悪化させようとするのか? これでは、復興支援ではなく、復興阻止であろう。ましてや、原発事故の制御・収束は、場当たり手当てをなすのが精一杯、今のままでは遠からず半径20キロ以内は汚染水のタンクで埋め尽くされるという状態である。それが、「被災地を元気づける」「感謝の五輪」、はては「スポーツの力を示す五輪」といった、訳の分からないスローガンで、そのままというか、従前以上に前に突き進んでしまっており、私などには理解不能である。一般市民レベルでの本当の支持率は、相当ひどいはずなのに、それが、主なマスコミからも政治家からも反映されてこない今の流れは、異様ですらある。元気を出すのは大事だが、目の前の問題から目をそらすのは、許されない。ましてや、「原発はコントロールされている」と言うに至っては、あいた口がふさがらないの類であろう。

もちろん、土木・建築工事を最小限にして、ただ、純粋に元気な気持ちを取り戻すためにスポーツの祭典を開催するというのなら、そりゃあ、やったらいいかと思う。ただし、その時は、参加者にも当然そういう理解のうえで来てもらうこととなるし、原発が悪さをしたら即中止という条件付きとなるが、現実には、そんな崇高なオリンピックには誰も賛成しないであろう。

今や、オリンピックは、国レベルでのご当地観光宣伝をする世界最大のイベント組織であり、また、テレビ番組プロダクションというのがその実態であろう。 全てがそれに沿って流れてしまっているビッグビジネスである。 ああ、あの素朴なブランデージ会長のアマチュアリズムが無性に懐かしい。二度と還らぬ古き良き時代ということか。そう、あの昭和の東京オリンピックの時代の話しである。 雨でぬかるんだ国立競技場のトラックで100メートルを圧倒的強さで完勝したボブ・ヘイズ選手は、その後、陸上選手では食えないのでアメリカンフットボールに転向したが、足が速いだけではうまくいかず選手生命は短かったようである。また、東京で金メダルを取ったオーストラリア水泳のエース、ローズ選手は、ほんのちょっぴり映画の中で泳ぐシーンが入ったというだけで、アマチュア資格をはく奪され、次のオリンピックへの参加を拒否されてしまった。あのアマチュアスポーツの祭典としての強烈な誇りは、一体どこへ行ったのだろうかと思う。組織も選手も金まみれでは、テレビ番組の素材としての商品価値はともかくとして、人々の心に訴える力は半減しているはずである。少なくとも、古き良き昔を知っている者にとっては。

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