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私の一言   MY SHORT TALK
 
 物部康雄   YASUO MONOBE  
  越後湯沢の惨状


63.税金の垂れ流し

2018/2/28




62.区分所有建物の
    固定資産税

2017/7/28




61.わけの分からぬ家族信託

2017/3/8




60.呆れるしかない広島訪問

2016/5/31




59.さらば民主党

2016/3/28




58.越後湯沢の惨状

2016/3/7



57.権威を疑う

2016/1/25




56.年間200億円

2015/12/15




55.小仏トンネル

2015/8/6




54.18歳で選挙権

2015/4/20










子供が小学校に入った頃に、数回、新幹線の駅からすぐ行けるスキー場ということで、越後湯沢のスキー場に行った。駅には人がごったがえし、皆、スキー場に急いでいた。スキーの後、大きな温泉に入り、夜はバイキングの食事をしたのが懐かしい。結構な費用がかかったと思うが、たまに行くには便利だな、とも思った記憶がある。

今、その越後湯沢や苗場のスキー場、実際にはそこに立っているリゾートマンション・リゾートホテルが危機的状況にあるらしい。何せ、あっという間のスキーブームの終焉で、これまたあっという間に山裾を埋め尽くしたようなリゾートマンション群が廃墟と化しかけているらしい。スキー人口が、ピークの3分の1程度に落ちたのも響いたのだろうが、やはり、新幹線でスキーにいってリゾートマンションに泊まると云う発想そのものが、バブルであったようである。今や、管理費の滞納額が多すぎて、競売しても買い手のつかない物件があふれているようであり、そのような状況ではまともに管理費を払ってきた人もさっさと売って逃げ出すであろうから、完全な負の連鎖に陥っていると云えそうである。そして、それに追い打ちをかけているのが不当な固定資産税である。

私は、仕事の上では、いわゆる専門分野を持たない主義なのだが、数年前から半ば専門的に取り組んでいるのが、「時価を超えた固定資産評価の不服争訟」である。これまでは、ゴルフ場が多かったが、近頃は、商業施設も手掛けるようになってきたが、それらを通じて考えていると、越後湯沢のマンション群の崩壊は、ある意味で戦後の日本の固定資産評価制度の崩壊を予言しているように思われる。不動産バブルとスキーバブルというダブルバブルのはじけた湯沢のマンション群はその崩壊の速度の異常さという意味では例外中の例外ではあるが、固定資産評価制度全体から見ると、むしろ、これから起こる何千万世帯の個人住宅の固定資産評価問題を暗示しているところがある。

苗場には、25年前の新築時の価格が5千万円でも、今や数100万円、いや数10万円の物件もごろごろあるはずである。需要と供給のバランスが崩れた物件にとっては、その新築時の価格など、何の意味も持たないところである。しかし、それが、固定資産課税上は、単に経年による減価を通じてしか減額評価がされず、いまだに新築時の半額程度で評価がされ、それに基づく固定資産税が課税されているわけである。もちろん、これは地方税法違反である。固定資産税は、時価に基づき課税することとされているのであり、それをはるかに上回る評価での課税は取り消されるのが本則である。しかし、現実には、湯沢だけでなく、ほとんどすべての市町村が、「時価は分からないから、総務大臣が定める『評価基準』」という規則に従って形式的に算出するしかない」として、時価をはるかに超える評価での課税を改めようとしないのが実情であり、自治体の歳入の確保という至上命令があるため、監督すべき立場の総務省も見て見ぬふりである。たまに、私のようなものが裁判で暴れると、一定の通達を出して、一定の範囲での減額補正にはお墨付きを与える、という辺りでお茶を濁すと云うことの繰り返しで済まされてきている。

しかし、この苗場や越後湯沢のような極端なところで、もし住民が一斉蜂起すれば、ことによると、法的には超安定国家である日本でも革命的な変動が生じえるのではと思われる。サラ金の過払い金という問題は、本当は、最高裁が勇み足で認めたものであり、良い悪いは別にして当時の法律では一旦支払った過払い金は取り戻せないと云うのが当然の法理のはずであった。それに比べると、この固定資産評価の異常な高止まりから来る固定資産税の過払い金問題と言うのは、本来的に違法であり、最高裁の判決を待つまでもないところである。サラ金の過払い金問題、あるいはそれを基にした弁護士商売は、もうすぐ時効で消滅するようだが、それに代わって、固定資産税という新たな過払い金問題が既に生じかけてきているように私には思われる。この問題は住民の意見を反映させるという私が力を入れている祭りの会の運動にも連なるものがあると感じており、固定資産評価制度の問題の追及には今後も力を入れていきたいところである。



























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